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2004年 11月 13日 ( 1 )


バスで見るひと

クルマを持っていないので、毎日バスで通勤している。
朝はいつもの便。おおむね同じ顔ぶれの大人たち、高校生たちが乗ってきては降りていく。 恥ずかしながら、ついつい顔を覚えてしまうのは、やっぱり異性でありまして...。 これは女のひともたぶん同じで、感じのいい男がいないか、気になったりするんだろうな。
とはいえ、朝からウキウキした気分の社会人なんていないだろう 。ぼくも常用しているクスリの副作用もあって、朝のバスはちょっとつらい。 頭が重かったり、ひどくはないが吐き気があったり。ロマンチックな気分には程遠いのが現実だ。

という感じの毎朝、途中のバス停。ある女性を見かけるようになった。

20代のころに勤めていた福祉施設にいた同僚である。 去年は、いまより10分早いバスに乗っていたので遭遇することはなかったのだけど、今年はタイミングがあってしまったようだ。
女性は目がおおきくて早口。動きもせかせかしていて、動物にたとえればリスかヤマネか、 まあ、そんな愛くるしい小動物系のひとであった。10年以上もたてば、どんなひとでも風貌に変化はあるだろうけど、 彼女、なんと髪が真っ白になっていて、おまけに松葉づえをついている。いったい何があったんだろう?  初めて見たときはびっくりした。しかし、くりくりした目と笑顔は昔のまま。変わっちゃったけど変わっていない...のである。

こういう時むずかしいのは、挨拶をしたものかどうか、だ。ぼくはその職場を気分よく辞めたわけではないので、 ちょっと微妙なのである。

とはいえほとんど毎日顔を見かけるので、目と目が合うことはある。ある日、流れで会釈をしたのだけれど、 くりくりした目でじ〜っと見られたあげく返事は「?」であった。 なんだい、忘れられてるなあ、たしかにそんなに長い間、いっしょに仕事をしたわけじゃないし。ちょっと、ホッとしたりもして。

今日、日曜日。明日からまた早起きだ。

また、あのバス停で彼女を見かけるだろう。スナップ写真をやっているので、 バスに乗ったら左側の席に座るのが習慣になっている。
ときどき、彼女の「?」の視線を感じることがあって、あの時会釈はしたものの、 今となっては視線を合わせるのはむずかしい。お互いが「!」となったからといって、 あまり親しくはなかった職場の同僚同士である。毎朝、どういう気持ちで顔を見合わせればいいのか。 知らぬふりをするのも気まずいしね。

町の狭さと、寝たふりの出来ない自分のナイーブさに自己嫌悪する...今日この頃なのです。
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by thatness | 2004-11-13 14:56